五苓散の効果効能、口コミ むくみや頭痛、めまい、胃腸炎などに

五苓散 効果効能

五苓散(ごれいさん)は消化器疾患や頭痛、飲み過ぎなどに使用される漢方薬です。過剰な水分の停滞やバランスの悪さを改善する効果が期待出来ます。

慢性的な病気では、対症療法を主とする西洋医学に対して、原因療法で体質改善を進める漢方が有効な場合が多いです。特に、水分の異常による病気です。水分が体内に過剰に存在または不足したり、流れが悪かったり偏っていたりすることが、治りにくい慢性の病気の原因となっていることがあります。

漢方薬で水分のかたよりを調整すれば、病気や症状が次第に改善していくことがあります。そんな水分の異常があるときに役立つ処方の一つが五苓散です。

五苓散はどんな人に効果がある?

五苓散は、ノドが渴いて尿量が減るような状態の吐き気や下痢、めまいなどに頓服で利用されることが多いです。かなり適応範囲の広い処方で、しかも体力にかかわらず利用可能です。ただし、高熱が出てノドが渴いている場合には利用しません。

吐き気がある場合、ノドが渴いていてもー気に水を飲むとすぐに吐いてしまうことがあるので、エキス剤などは冷たい水で少しずつ服用するようにします。味は淡泊で比較的服用しやすい処方です。

二日酔いにもよく効きます。飲み過ぎたときは寝る前に五苓散を一服飲んでおくと翌朝が楽です。

五苓散は、酒でも乗り物でも、酔ったときのめまいや吐き気に利用されます。ただし、眠気は起こらない。予防として服用すると効果的なことがあります。天気が悪くなると起こるような頭痛にも利用されます。

五苓散は「水湿」証を改善する代表的な処方です。

水湿とは、水分の吸収や排泄、代謝が滞り、過剰な水分が体内に滞っている状態です。人体の構成成分の6割程度が水分である以上、水は生きる上で不可欠ですが、ちょっとした水分代謝などの変調が体調を変えてしまいます。

五苓散が有効な水湿証の特徴は、ロの渴きがあることです。尿量減少もみられます。この2つは脱水症状のように思われますが、胃からちゃぷちゃぷという音が鳴ったり、水の様な下痢、むくみがあるので体内には水分がたっぷりあります。これは脱水ではなく、水分が偏って存在しているのです。消化管や組織内には余るほど水があるのに、それが血液中に取り込まれておらず、血管内は水分不足となっています。従ってロの渴きや尿量の減少が症状として引き起こされます。

舌には白い舌苔が付いており、べっとりと厚く付着していることが多いです。

この漢方薬を使う主な症状

ノドが渴いて尿量が少ない場合のめまい、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔い、吐き下し(嘔吐下痢)、または水のような下痢、むくむ傾向のある人の頭痛、目が回るようなめまい、二日酔い、乗り物酔いなどに使われる漢方薬です。

五苓散を使う主な症状は以下のようなものです。

胃腸炎

消化不良

下痢

胃拡張

胃下垂

胃アトニー

浮腫

腎炎

ネフローゼ

膀胱炎

蕁麻疹

片頭痛

三叉神経痛

メニエール病

めまい

糖尿病

感冒

夜尿症

二日酔い

乗り物酔い

五苓散の処方

五苓散の配合生薬は、

①沢瀉

②猪苓

③茯苓

④白朮

⑤桂枝

の五味です。

沢瀉、猪爷、茯爷、白朮には、どれも利水効果があります。

君薬の沢瀉は腎に働いて、利水滲湿(りすいしんしつ)します。寒性なので、発熱や膀胱炎などの炎症にも効きます。

臣薬の茯苓と猪苓にも強い利水滲湿効果があり、沢瀉の効果を強めます。茯苓は健脾に加えて、胃内の停水をさばき、気の流れを良くする効果があります。

佐薬の白朮は胃腸の機能を調えて水分の流れをよくします。同じく佐薬の桂枝は、体表から侵入し始めた病邪を追い払い、同時に体内では水分の流れを助けます。桂枝には使薬として血液循環を促して君臣佐薬の利水効果を高める効果(通陽効果)もあります。

猪苓と茯苓は水を下降させてロ渴を癒し排尿を促す効果があります。茯苓と白朮は消化器から水分を吸収、運搬し、胃腸に偏って存在する水分を排除します。四君子湯や六君子湯にもみられる配合です。桂枝と茯苓の組み合わせは桂枝茯苓丸にもあり、血液と体液の流れや動悸を改善する効能があります。

以上、五苓散の効能を「利水滲湿・通陽」といいます。

五苓散の出典は『傷寒論(しょうかんろん)』です。傷寒論が掛かれた頃には急性熱性疾患に対し、微熱や悪寒、尿量減少、ロ渴などがあるものに使われた処方ですが、今は水湿の証に用いられることが多いです。

五苓散の体験談・口コミ

口コミ①むくみに五苓散

下半身がむくみに悩んでいます。ひどいときは朝に、脚以外にもまぶたや手の指もむくんでいます。トイレに行く回数が少ないです。体が重く、疲労感があり、汗をあまりかきません。白い舌笞が付いています。

五苓散を服用1か月程度で排尿が正常になり、3力月後には下半身のむくみが解消しました。

水湿証とみて五苓散を使用した例。

口コミ②片頭痛とめまいが辛い

片頭痛に悩まされています。月に数回、ひどく痛みます。嘔吐をすることも少なくありません。頭痛には突然襲われます。頭痛にはめまいを伴うことも多いです。舌には白い舌苔が付着しています。

1力月ほど五苓散を飲み続けてからは片頭痛の頻度がかなり減ったようです。半年ほど飲んで片頭痛がしなくなったので五苓散をやめましたが、その後も片頭痛やめまいは起きていません。

水湿証とみて五苓散を使用した例。

口コミ③下痢、軟便に五苓散

慢性的な下痢や軟便があります。喉が渇き、水分を多くとりますが、尿量は少ないです。舌は白くなっています。

五苓散を飲んで1か月ほどで正常な便が出るようになりました。

五苓散を使用した製品の例一覧

散剤 五苓散料エキス(大杉製薬、クラシエ薬品、三和生薬、ツムラ、帝國漢方製薬、松浦薬業、湧永製薬)、五味利水(ウチダ和漢薬)、療方調流顆粒(クラシエ薬品)、アルピタン(小林製薬)、JPS漢方顆粒-14号(ジェーピーエス製薬・宇津救命丸製薬)、光風(建林松鶴堂)、五苓散(救心製薬)、五苓散料エキス顆粒(東洋漢方製薬)、てんぐ五苓散(二反田薬品工業)、かんぱう循々五苓散(松浦薬業)、五苓散料エキス(ウチダ和漢薬、三和生薬、東洋薬行)、五苓散料エキス顆粒(東洋漢方製薬)、五苓散(ウチダ和漢薬)
錠剤・カプセル・丸 五苓散料エキス錠(大峰堂薬品工業、小太郎漢方製薬、三和生薬、ジェーピーエス製薬、伸和製薬、日邦薬品工業)、錠剤五苓散(一元製薬)、ホノミスイギャクEP錠(剤盛堂薬品)、五苓散錠(クラシエ薬品)
湯薬 五苓散料(ウチダ和漢薬、タキザワ漢方廠)、五苓湯(栃本天海堂)

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