四逆散の効果効能、副作用は?ストレス性の疾患(不眠症・不安・胃炎等)など

四逆散 効果効能

四逆散(しぎゃくさん)はストレスによる体調不良に効き、消化器、呼吸器など広範囲の疾患に使用される漢方薬です。

ストレスが原因での病気は多岐にわたります。うつ病や自律神経失調症、心身症、不眠症など精神面の疾患だけでなく、神経性胃炎や潰瘍、逆流性食道炎、過敏性腸症候群など消化器系疾患、喘息など呼吸器系、アトピー性皮膚炎や多汗症など皮膚科系、月経不順など婦人科系、高血圧、心疾患、性機能障害など、身体面の疾患も多いです。

うつ病患者は現代人に急速に増加しています。ストレスのたまりやすい現代社会、そんなストレスを抱えた人たちに、四逆散が効果を発揮してくれるかもしれません。

四逆散はどんな人に効果がある?

四逆散は、手足だけ冷える傾向があり、神経質なタイプの人に適応される処方です。

ため息をつくことが多く、鬱になりやすい人の体質改善にも利用出来ます。また、体力はあまり関係なく利用出来ます。

四逆散は、「肝気鬱結(かんきうっけつ)」証を改善する代表的な処方です。

肝気鬱結は、精神情緒や血流の調整をつかさどる五臓の「肝」の気が停滞している体質や状態を指します。精神的なストレスや緊張、情緒変動などにより自律神経が調子を崩しやすい体質と言えます。

誰しもストレスや緊張で、不安になったり、ドキドキしたり汗をかいたり食欲がなくなったりしますが、肝気鬱結の人はストレスや緊張の影響が及ぶ範囲が広く深く、精神だけでなく、消化器系、呼吸器系、循環器系、内分泌系などにも身体的な疾患に及ぶことがあります。

気の流れが滞ると、憂鬱感、情緒不安定、イライラ、ため息がよく出る、怒りっぽい、胸苦しい、肩こりなどの症状が出ることが多いです。また、陽気が手足の末端まで通わなくなるので手足が冷えます。体がややほてる場合もあります。気の失調が肺に来ると咳が出ます。心臓に来ると動悸などが生じます。胃腸に来れば腹痛が生じ、おなかが張る、食欲不振などの症状も出ます。婦人科系なら月経不順、月経痛、月経前症候群が生じ、さらに膀胱神経症、尿量減少、頻尿、むくみ、鼻炎などが起こることもあります。舌は一般に赤みがかっているのが特徴です。

肝気鬱結と同時に炎症が起こる場合も少なくありません。肝炎や胆嚢炎、胆管炎、胆石などが起こることがあります。炎症による痛みで末梢血管が収縮し、手足の冷えが酷くなることがあります。

他にも、不安神経症、強迫神経症、パニック障害などの神経症、更年期障害、甲状腺障害、神経痛などが起こることがあります。

四逆散はストレスでの病気や症状に悩む方に対して広く応用できる漢方薬です。

緊張すると身体に力が入り、硬くこわばるものです。そのとき体内でも同じように緊張して縮む現象が起こります。胃が縮むと胃痛になり、大腸が縮むとの便秘や過敏性腸症候群になります。気管支が収縮すると咳や喘息が起こり、膀胱が縮めば頻尿や排尿障害が起こるという具合です。このように緊張して硬くなった動きを緩和する効果があるのが四逆散です。

この漢方薬を使う主な症状

四逆散は、ス卜レスや精神的なことが原因と思われる胃の痛み、不眠や不安が続いているス卜レスからくる咳などが四逆散を使う主な症状です。

四逆散を使う主な症状は以下のようなものです。

ストレス性の疾患

強迫神経症、パニック障害などの神経症

胃酸過多

胃炎

甲状腺腫

神経痛

婦人病全般

更年期障害

消化器系疾患

呼吸器系疾患

循環器系疾患

内分泌系疾患

四逆散の処方

四逆散の配合生薬は、

①柴胡

②芍薬

③积実

④甘草

の四味です。

君薬の柴胡は肝気鬱結を解いて気を流す効果があります。この効果を疏肝解鬱(そかんげうつ)といいます。イライラ、憂鬱感などを緩和し、消炎解熱効果もあり、炎症の熱を下げます。

臣薬の芍薬は筋肉の痙攣や緊張を緩和する効能を持ちます。柴胡との配合で疏肝解鬱効果が強まります。肝を養う力も強いのが特徴です。柴胡と芍薬は疏肝解鬱を改善するのに非常に良い組み合わせです。大柴胡湯にも同じ配合があります。当帰を配合すると月経不順にも効果的で、加味逍遙散などの配合になります。

佐薬は积実で、気を開き巡らせる理気薬として胃腸の蠕動(ぜんどう)運動を調整し、さらに痙攣を緩める効果があります。柴胡と枳実の組み合わせは、精神的なストレスを緩和する効果が強いです。芍薬と枳実の組み合わせは気血を流し、筋肉の痙攣と痛みを緩和する効果があります。

使薬の甘草はそれぞれの生薬を調和しつつ胃腸機能を守り、急迫症状を緩和する効果があります。芍薬と甘草の組み合わせは芍薬甘草湯に見られるもので、平滑筋の緊張を和らげ、強い鎮痛・鎮痙効果を示します。

これらの四逆散の効能を「疏肝解鬱・理気止痛」といいます。

四逆散の出典は、『傷寒論(しょうかんろん)』です。

副効果・注意点

四逆散を長期に利用することもありますが、甘草の副効果(むくみなど)には注意しましょう。

よく似た名前の四逆湯は全く異なる処方なので気をつけましょう。

四逆散の体験談・口コミ

口コミ①ストレスで脇腹から背中にかけて痛む

ここ数年、脇腹が張った感じで痛くなることがあります。みぞおちの辺りまで、あるいは背中にかけて痛むこともあります。病院の検査では肝臓、胆嚢、すい臓などに異常はありません。その痛みはストレスや緊張とともに強まる傾向があります。リラックスしているときはあまり痛みません。

四逆散を服用して、4力月ほどで痛みやストレス自体が改善してきました。

肝気鬱結証とみて、四逆散を使用した例。

口コミ②四逆散でストレス性の下痢が良くなった

緊張やストレスで、すぐ下痢をします。神経性の下痢、あるいは過敏性腸症候群だと診断されました。神経質な性格です。下痢だけでなく、お腹にガスがたまって張ったり、ゴロゴロと音がしたりします。排便後にスッキリしない残便感もあります。

四逆散を半年ほど服用したところ、症状は改善しました。

口コミ③胃の痛み・胃腸炎に四逆散

胃腸炎を頻繁に起こします。精神的に辛いときなどに胃が酷く痛み、下痢をします。

四逆散を飲んで半年程度で、胃腸炎になる頻度が減りました。

四逆散を使った製品の例

散剤 四逆散エキス(建林松鶴堂、東洋)、四逆散(救心製薬)、四逆散顆粒(東洋漢方製薬)、四逆散(一元製薬製薬、ウチダ和漢薬)
錠剤・カプセル・丸 シギ口ン(小太郎漢方製薬)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする