六君子湯の効果効能　胃腸の弱い人や食欲不振、肥満などに

六君子湯（りっくんしとう）は主に胃腸の病気、消化器系疾患に使用されますが、その他にも広く応用される漢方薬です。

六君子湯はどんな人に効果がある？

六君子湯は普段から疲れやすく、いつも胃腸の調子が悪いと感じている人に適応があります。食が細く、食ベるとすぐにお腹がいっぱいになって眠たくなるような人に利用します。

みぞおちのあたりが痛み、胃酸(むしず)の上がりが気になる場合などに効果的です。いつも下痢気味の人や、高齢者の食欲不振・便秘にも利用してみます。

六君子湯は、四君子湯（しくんしとう）とニ陳湯（にちんとう）を合わせた処方です。四君子湯は、胃腸の機能を向上させて「気」を補い、ニ陳湯は、体内に停滞している過剰な水液を取り除く効果があります。

この2つを合わせた六君子湯は、胃腸機能を高めて余分な水液を除去する力を持つ、「脾胃気虚、痰湿」証を改善する代表的な処方です。

脾胃気虚とは、胃の機能が低下して体内で気血が不足し、様々な病気や症候が引き起こされることをいいます。胃腸機能の低下だけでなく、代謝、免疫力の低下、神経の興奮性の低下、造血機能の衰弱が起こることもあります。

「痰湿」は痰飲の一種で、水液の代謝が正常に行われず、水液が滞留して起こります。特に脾胃気虚の場合、食べ物や飲み物から生じる湿濁が消化器官にたまり、痰湿が起こりがちです。

脾胃気虚証の人は元気がなく、疲れやすいのが特徴です。手足のだるさ、声に力がない、息切れしやすい、顔色が白いなどの特徴もあります。痰湿証では、湿濁が消化器官内にたまっているため、食欲不振、おなかの張り、胃もたれ、みぞおちのつかえ、吐き気、嘔吐、呑酸、味覚低下、軟便、下痢などが起こります。

そのほか、白い痰、咳、めまい、動悸、むくみ、手足が重だるいなど湿っぽい症候も特徴です。

舌は白っぽく、白い舌苔が粘っこく付着することが特徴です。舌が腫れぼったくなる場合もあります。

この漢方薬を使う主な症状

六君子湯は、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい場合の胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐などに使われる漢方薬です。

六君子湯を使う主な症状は、脾胃気虚、痰湿の症候を現わす以下のようなものです。

慢性・急性胃腸炎

胃・十二指腸潰瘍

逆流性食道炎

嘔吐

食欲不振

胃痛

胃下垂

胃アトニー

消化不良

疲れやすさ

貧血

低蛋白血症

下痢

慢性・急性気管支炎

慢性腎炎

帯下

六君子湯の処方

六君子湯の配合生薬は、

①人参

②白朮

③茯苓

④甘草

⑤半夏

⑥陳皮

⑦生姜

⑧大棗

の八味です。

四君子湯（人参、白朮、茯苓、甘草）とニ陳湯（半夏、陳皮、茯苓、甘草、生姜）の生薬を合わせた配合です。

四君子湯の君薬の人参は補気し、脾胃の機能を高める効果があります。四君子湯の臣薬の白朮は健脾と同時に湿邪を除去し（燥湿）、人参の補気効果を強める効能を持ちます。

ニ陳湯の君薬の半夏は燥湿化痰（そうしつけたん）、降逆和胃（こうぎやくわい）、鎮咳する効果、臣薬の陳皮は燥湿去痰（そうしつきょたん）して半夏を補助し、気を巡らせ痰を除去する効果があります。佐薬の茯苓は健脾燥湿し、白朮との組み合わせにより健脾祛湿の力を強め、痰の生成を抑える効能があります。甘草は使薬として益気和中しつつ、それぞれの生薬の薬性を調和する効能があります。生姜と大棗も脾胃の機能を調える効果があります。生姜には半夏の毒性を弱める役割もあります。

これらの六君子湯の効能を「補気健脾（ほきけんぴ）、理気化痰（りきけたん）」といいます。

六君子湯の出典は四君子湯やニ陳湯と同じ『和剤局方』です。

六君子湯の体験談・口コミ

口コミ①主人のがん治療の副作用に

主人が抗癌剤治療をしていますが、副作用が強く、見ていてつらそうです。抗癌剤の副作用で、倦怠感、食欲不振、嘔吐、下痢などがあります。

六君子湯を服用して、副作用は次第に軽減していきました。

口コミ②すぐに太ってしまう体質に六君子湯

さほど食べていないのに太ってしまいます。水太りのようなぽっちゃり夕イプです。疲れやすく、汗をよくかき、むくみもあります。白っぽい痰が多く出ます。

六君子湯を1年服用して、少しずつ痩せていき、最終的に10ｋgほど体重が減りました。

口コミ③胃弱で食後に眠くなる体質に六君子湯

胃が弱く、食が細いです。下痢も良くします。そんなに食べていないのに食後に眠くなりやすいです。身体（特に手足）がだるく、疲れやすいです。舌は白く、湿っています。

六君子湯を半年程度服用したところ、胃弱が改善され、食後の眠気が減りました。疲れやすさも減ってきたように感じています。

六君子湯を使用した製品の例一覧