竜胆瀉肝湯の効果効能 不眠症や膀胱炎、頻尿に効果

竜胆瀉肝湯 効果効能

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は主に、ストレスや暴飲暴食により生じた熱証を改善する効果があります。

熱感のある各種症状を緩和してくれます。

竜胆瀉肝湯はどんな人に効果がある?

竜胆瀉肝湯は、排尿時に熱感があり、尿の色が濃くてニオイが気になる場合に利用してみます。同時に、残尿感がある場合にも利用してみます。

陰部のかゆみは男女問わず利用出来ます。陰部の痛みや不快感にも利用してみます。

イライラしたり目の充血などがみられる場合にも使用します。

竜胆瀉肝湯は、「肝胆実火上炎、肝胆湿熱下注」証を改善する処方です。

肝胆実火上炎証は、肝経や胆経が通る頭頂部、目、耳などに症状が表れることが多い証です。

よく見られる症状は、頭痛、目の充血、目やに、めまい、立ちくらみ、難聴、耳鳴り、鼻血、ロの苦み、顔面の紅潮、脇痛、いらいら、短気、不眠などです。

舌は赤く、黄色い舌苔がついているのが特徴です。

肝胆湿熱下注証は、人体の下部で症候を生じさせるのが特徴です。暴飲暴食、過度の飲酒や、脂っこい物、味の濃い物を食べすぎることにより、湿熱が生じる場合も多いです。

肝胆湿熱下注の場合、肝経が通る生殖器や泌尿器で症状が表れやすく、陰部の痛み、痒み、腫れ、熱感、濃い色の尿、濁った尿、排尿痛、残尿感、頻尿、黄色いおりもの、臭いが強いおりものなどが起こりやすくなります。

舌は肝胆実火上炎証と同じように赤く、黄色い舌苔が付きやすいですが、より舌苔が厚く、べっとりしています。

この漢方薬を使う主な症状

竜胆瀉肝湯は、特に、下腹部に熱感や痛みがあるような排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿などに使われる漢方薬です。

竜胆瀉肝湯を使う主な症状は肝胆実火上炎、肝胆湿熱下注の症候を現わす以下のようなものです。

片頭痛

急性結膜炎

外耳炎

鼻炎

副鼻腔炎

口内炎

黄疽

肝炎

急性胆嚢炎

急性腎盂腎炎

膀胱炎

尿道炎

外陰炎

膣炎

睾丸炎

急性前立腺炎

鼠径部リンパ節炎

局血圧症

自律神経失調症

不眠症

性機能障害

頭部の湿疼

脂漏性湿疼

脱毛症

アトピー性皮膚炎

帯状疱疹

帯下

竜胆瀉肝湯の処方

竜胆瀉肝湯の配合生薬は、

①竜胆

②黄芩

③山梔子

④沢瀉

⑤木通

⑥車前子

⑦当帰

⑧地黄

⑨柴胡

⑩甘草

の十味です。

竜胆瀉肝湯の君薬、竜胆は苦寒薬で、肝経に入り、上半身では肝胆の実火を鎮め、下半身では肝胆の湿熱を排除する効能があります。

黄芩と山梔子も苦寒薬で、臣薬として熱を冷まして湿邪を除き(燥湿清熱)、君薬の効果を強化する役割があります。

佐薬の沢瀉、木通、車前子は利水効果により湿邪を除去して熱を排し、湿熱を取り除く効果があります。地黄、当帰、柴胡も佐薬です。そこで地黄と当帰が陰液を補い、正気(せいき)の損傷を防ぐ効果があります。柴胡は肝胆の気の流れをスムーズにし、それぞれの生薬の肝経での流れを促進します。さらに黄芩との組み合わせにより肝胆の熱を冷まし、気を上昇させる効能を持ちます。

甘草は使薬として苦寒薬の刺激を弱めて益気和中しつつ、それぞれの生薬の薬性を調和する役目があります。

これらの竜胆瀉肝湯の効能を「清肝胆実火、瀉下焦湿熱」といいます。

竜胆瀉肝湯は、多少は緩和されているものの苦寒性が強い漢方薬なので、胃腸が弱い人や、冷えが強い場合、陰虚証などには使わない方がよいとされています。

竜胆瀉肝湯の体験談・口コミ

口コミ①膀胱炎で竜胆瀉肝湯を使用

膀胱炎に悩んでいます。残尿感があり、すぐトイレに行きたくなります。排尿時の灼熱感や痛みもあります。舌は赤く、黄色い舌苔が付着しています。

竜胆瀉肝湯を3週間ほど飲み続けると、残尿感や排尿時の痛みなどが軽減しました。

肝胆湿熱下注証とみて竜胆瀉肝湯を使用した例。

口コミ②入眠出来なくて困っていました。同時に頭痛も……。

夜、布団に入っても、神経が昂りなかなか眠れません。寝ようと思っても、考えごとをしてしまい、イライラしてきます。怒りっぽく、頭痛もあります。

竜胆瀉肝湯を飲んで3か月ほどで寝付きが良くなり、眠りも深くなりました。

肝胆実火上炎証と考えて竜胆瀉肝湯を服用した例。

口コミ③頻尿に竜胆瀉肝湯

酷い頻尿があります。一日に10回以上トイレに行きます。夜間頻尿も酷く、就寝時に何度もトイレに起きます。下腹部に熱感もあります。舌はやや赤く、表面は黄色っぽいです。

竜胆瀉肝湯を半年ほど飲んだところ、トイレに行く回数が減った実感があります。

竜胆瀉肝湯を使用した製品の例一覧

竜胆瀉肝湯は製品によって構成生薬がやや異なることがありますが、これは出典が異なっているためで基本的には同じ使い方をします。構成生薬の多い製品(小太郎漢方製薬など)は、特に慢性化している場合に利用します。

散剤 竜胆瀉肝湯エキス(ウチダ和漢薬、クラシエ薬品、小太郎漢方製薬、三和生薬、松浦薬業)、瀉火利湿顆粒(イスクラ産業)、モリシンニョウA(大杉製薬)、JPS漢方顆粒-69号(ジェーピーエス製薬)、制竜(建林松鶴堂)、竜胆瀉肝湯エキス(一元製薬、ウチダ和漢薬、三和生薬)
錠剤・カプセル・丸 竜胆瀉肝湯エキス錠(クラシエ薬品、三和生薬)、リュウセーヌN(小太郎漢方製薬)
湯薬 竜胆瀉肝湯(ウチダ和漢薬、タキザワ漢方廠、東洋漢方製薬)

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